油断大敵・子供の片頭痛 「仮病」と取らず受診を!

熱はないが、「頭が痛い」。そうした子供の訴えを「仮病」と片づけるか、病院に連れて行くか、判断に迷うことは多い。片頭痛を持病とする子供は意外と多いようだが、適切な診断を下せる医師は少ないという。放置すれば学校の長期欠席につながる場合もあり、甘くみるのは禁物だ。                                                                       -Sankei WEB-


産経ウェブ2007年5月23日のニュースです。

放置は学校の長期欠席にも

 3年前の夏休み明けの朝。東京都世田谷区に住む賢吾くん=当時(10)=は突然、「頭が痛い」といって寝床から起きあがれなくなった。夏風邪の診断を受けたが、何日たっても起きあがることができず、母親も「もう夏休みは終わり」と布団をはがして叱咤(しった)したが、気力では重い頭を持ち上げることはできなかった。

 学校を休む日は次第に増え、5年生の2学期に登校できたのは終業式のたった1日。その間、賢吾くんは耳鼻科、整形外科、小児科を受診したが検査で異常は見つからず、思春期外来では心の問題から登校拒否になっているのだといわれ、傷ついた。

 好転したのは、テレビで頭痛外来を知ったことがきったけだった。通院して初めて「片頭痛」と診断を受け、薬を処方されて飲んだ賢吾くんは5年生の3学期以降、ほとんど休まず登校できるまでに回復。今も朝晩予防薬を飲み続けているが、「心の病気と勘違いされてつらかったけど、いい先生と薬に出合えてよかった」と話す。

 ひどい場合、つらくて学校を休みがちになるうえ、治療できる専門家も少ない。では親は、どのような点に注意を払えばよいのか。『ママ、頭が痛いよ!』(ワンツーマガジン社)の著書がある、東京女子医科大学・脳神経センター頭痛外来担当の清水俊彦医師は、片頭痛になりやすいタイプを指摘する。

 片頭痛は遺伝的要素が大きく、特に母親が片頭痛だと7割ほどの確率で子に受け継がれる。こめかみを中心にズキンズキンと痛み、吐き気や嘔吐(おうと)を伴うこともある。早い場合は幼稚園に通うころから発症することもあるという。

 片頭痛はストレスから解放された状況で発症することも多く、発症プロセスには諸説ある。最も有力なのが「三叉(さんさ)神経血管説」。脳内の血管は、緊張状態で働く交感神経によって収縮するが、緊張が解けるとともに副交感神経の働きによって緩んで拡張する。それが過ぎると、脳幹につながる三叉神経を圧迫・刺激することで痛みが生じる。

 過膨張の一因として、緊張解放を促す神経伝達物質、セロトニンの働きが関与していると指摘されている。

 そのため、子供たちが学校から解放された下校途中や自宅で頭痛を訴える例が目立つ。しかし、ストレスのない週末は元気に過ごしていることから、「仮病」とみられることが多いようだ。

 「新学期は環境が変わり、緊張することが多いので帰宅後の頭痛は多い。また春は脳のセロトニンの変動が大きかったり、季節的に低気圧が多く、また昼夜の気温差が大きいので片頭痛が起こりやすい」と清水医師。

 体育の時間に外気温や運動により血管が拡張しても頭痛になるが、その場合も「さぼり」と勘違いされ、つらい思いをすることがある。「まずは仮病ととらず、頭痛外来の受診を」と清水医師は呼びかける。

 日常生活で心がけるべき予防策はあるのか。清水医師は「睡眠時は副交感神経が優位となり血管が緩むため、睡眠のとりすぎが血管のむくみを招くこともある。寝過ぎないように注意して」と呼びかける。

 また、花粉症やぜんそくなどのアレルギーが片頭痛に関与している場合もあり、その場合は西洋フキなどハーブのサプリメントを摂取すると予防効果を発揮することもあるとアドバイスする。さらに、片頭痛の予兆があった場合は入浴や運動、マッサージなど血行を促す行動は避けたほうがいいという。
                                                                                                   -Sankei WEB-(2007/05/23 13:55)


「これで治す 最先端の頭痛治療」(日本頭痛学会編)

くも膜下出血や髄膜炎といった他の病気が原因ではなく、頭痛そのものが病気である場合を「慢性頭痛」と呼ぶ。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛が代表的だ。

本書は、日本頭痛学会が2005年、国内外の科学的根拠に基づいてまとめた「慢性頭痛の診療ガイドライン(指針)」の一般用。頭痛のタイプごとに、診断や治療法、予防法を分かりやすく紹介している。

生活に支障を及ぼすことが多い片頭痛に多くのページを割いているが、ほかにも、子どもの頭痛、頭痛治療薬の使いすぎによる「薬物乱用頭痛」、むち打ち症など脳脊髄(せきずい)液の減少による頭痛、漢方薬、サプリメントの効果など、頭痛全般について役立つ情報がコンパクトにまとめられている。(保健同人社、1000円=税抜き)


(2007年1月7日 読売新聞)


「薬をやめたら頭痛が治る 頭痛治療Q&A」」(清水俊彦著)

片頭痛や緊張型頭痛などの慢性頭痛に悩む人は多い。恐ろしいのは、鎮痛薬を頻繁に使っていると、毎日、朝から頭が痛む「薬物乱用頭痛」になることだ。

 本書では、患者会「全国慢性頭痛友の会」に寄せられた頭痛の相談に、頭痛外来を開く専門医である筆者が明快に回答。具体的な薬剤名を挙げながら、薬物乱用頭痛の様々なケースと対処法を紹介している。

 このほか頭痛の基礎知識や、種類ごとの治療法、別の怖い病気が隠れている二次性頭痛の事例、頭痛に詳しい医療機関の一覧、筆者の患者である俳優の嶋大輔さんとの対談なども収載する。頭痛がなかなか治らない患者には必読の書だ。

(2007年4月22日 読売新聞)


見逃される脳の病気

見逃される脳の病気

脳腫瘍の診断にはMRI検査が効果的だ

 「これからも、妻のように苦しんでいる患者を救ってください」「頭痛の新常識」(4月20日―24日)を読んだ埼玉県川口市の会社員吉家(きっか)忠臣さん(29)から、感謝の電子メールが届いた。

妻の純子さん(31)は、月に1、2回激しく痛む片頭痛持ち。しかし、今年4月中旬は違った。いつもは片側のこめかみなのに頭全体が痛く、常用している鎮痛薬を飲んでも治らない。

地元の病院の脳神経外科でCT(コンピューター断層撮影法)検査を受けたが、「異常はない」との診断。いつもとは様子が異なることをいくら純子さんが訴えても、医師は「ただの頭痛」と言って薬を出すだけだった。

そんな時、忠臣さんが読んだのが先の記事。激しい頭痛を訴えていた女子中学生が脳を検査したところ、様々なホルモン分泌の中枢である脳下垂体に腫瘍(しゅよう)が見つかり、切除手術したら痛みが軽くなった、という内容だった。

純子さんは翌日、記事に出ていた東京女子医大脳神経外科の頭痛外来講師、清水俊彦さんに診てもらった。MRI(磁気共鳴画像)検査の結果は、やはり脳下垂体腫瘍。今月下旬に女子医大で切除する予定だ。

 「記事を読んでいなかったら、と思うとゾッとする」と純子さんは言う。

滋賀県の女性は、28歳の娘が中学3年生の時の体験をつづってきた。

頭痛が1週間続き、近所の病院と大学病院の脳神経外科を受診した。検査を受けたが、診断は「片頭痛」。しかし1か月以上も痛みが治まらず、別の大学病院に行って検査したところ、即、入院となった。

脳の真ん中あたりにあり、脳下垂体と同じようにホルモンの分泌などにかかわる「松果体(しょうかたい)」に腫瘍があり、大手術の末、切除した。

身をもって生命の大切さを知った娘は医療の道を志し、現在、医系の大学院で学んでいる。


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一方、東京都の女性(30)のケースは深刻だ。

1年前、激しい頭と吐き気が治まらず、近くの診療所を2回受診したが、診断は「単なる風邪」。病院でCT検査を受けると、右後頭葉に7センチの大きな腫瘍があり、破裂し出血していた。

「大きさからみて、先天性の可能性が高い」と医師。腫瘍は良性で、手術は成功したが、腫瘍が目の神経を圧迫していたせいで、両目の左側の視野が欠ける後遺症が今も残っている。

女性は高校生の時にも頻繁に頭痛があり、先の診療所で「風邪」と言われた。「あの時点で検査を受けて対処していれば、障害が残らなかったのではないか」という思いが今もぬぐえない。

清水さんは「痛みの性質が変化したり、吐き気を伴うようになったりしたら、必ず専門医の診察を」と勧める。

ただし、その専門医は、患者が地道に情報を集めるしかないようだ。

(2004年6月4日 読売新聞)


頭痛外来増える

数年前から頭痛外来という言葉を聞くようになりました。

2003/09/30
共同通信社:最新医療情報
「頭痛外来」増える強い患者側の要望:慢性頭痛を診察・治療


新薬登場で頭痛改善

2002/11/19
共同通信社 最新医療情報 メディカルニュース
片頭痛の8割以上が改善、新治療薬が次々登場


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